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■漁網防汚剤とは? ―飼育網への生物付着を防止し、養殖魚の飼育環境を良くします

 海中に網をつけておくと、コケムシ類・ホヤ類・イガイ・藻類など沢山の生物が付着します。
 このような生物が網目一杯に付着すると、環境が悪くなって、魚の成長が阻害されたり病気にかかりやすくなってしまいます。このため防汚剤を網に塗布して、魚にとって良い環境を維持します。
【写真】
 魚を養殖するために使用している生簀(いけす)の全形。現在、海で使用している生簀の形状は、正方形の他、長方形・円形・6角形などがありますが、標準的な生簀は縦・横・深さの一辺が8m〜10mの立方体をしています。上面を除く5面が飼育網(化学繊維:ポリエチレン製)で囲われています。金網の生簀もあります。
 
網に漁網防汚剤を使用しない場合・・・。


 漁網防汚剤を塗布しなかった飼育網(試験網:縦・横50cm)を 海中に3ヶ月間懸垂した後の網の様子です。
 生物(動物や植物)が網全面に幾重にも重なり合って付着しています。

 これでは魚の飼育環境としては最悪です。
 完全に網目が覆われ、水の交換がほとんどなくなってしまうことから、細菌や寄生虫などが繁殖し、病気発生の要因となるほか、十分な酸素がなくなるため魚の成長にも悪影響を及ぼします。
 
 
漁網防汚剤を塗布すると・・・。

 
 付着する生物(動物や植物)が嫌がる働きを持つ漁網防汚剤を塗布すると、網地には飼育環境を阻害する生物の付着がなくなり、養殖している魚にとっては常に水の交換が図れる快適な飼育環境を保つことが出来ます。

■漁網防汚剤開発試験を実施 ―飼育魚並びに周辺漁場環境への安全性をしっかりチェック

 昭和60年頃までは漁網防汚剤として有機錫系(TBT、TBTO)の漁網防汚剤が使用されていました。
 しかし、「有機錫系漁網防汚剤の使用は環境汚染への影響が大きい、又養殖魚の安全性に対して問題があるのではないか?」との疑念が抱かれたことから、海面魚類養殖業界では「疑わしきは使用せず」を理念として、有機錫系漁網防汚剤の代替品の開発試験に着手すると共に、昭和62年2月には有機錫系漁網防汚剤の全面使用禁止をいち早く決定しました。
 代替品では、飼育魚及び周辺漁場環境への安全性が確認され、防汚効果があるものが順次開発されています。
 食品としての飼育魚の安全性、及び周辺漁場環境への安全性については全国漁業協同組合連合会が組織する『漁網防汚剤安全評価委員会』がこれを確認し、飼育網に対する防汚効果については(社)全国かん水養魚協会が試験網(実際の生簀で使用している網の一部)、全国漁業協同組合連合会が実網(実際の生簀で使用している網)でこれを確認しています。

【写真】漁網防汚剤開発試験において試験網へ付着した生物(動物や植物)の種類や付着状況を入念にチェックしている調査風景
養殖魚の安全・安心 >> 漁網防汚剤について >> 漁網防汚剤登録までの流れ