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■モイストペレット:MP ―水分を含んだ固形のエサ

 モイスト(水分)を含んだ固形飼料という意味で、通常MP=モイストペレットと呼ばれています。
生魚と粉末配合飼料を混合し粒状にした飼料で、魚の大きさや口の大きさに合わせて作られるため、粒の大きさや形は色々です。配合飼料とはフィッシュミール(※イワシやアジから作られた魚粉。後述に詳細)を主原料としたエサです。
 
【写真】生餌とフィッシュミールを混ぜ合わせている様子

■モイストペレットの普及要因 ―栄養バランスの適正化/赤潮や富栄養化の防止
 養殖生産が伸びるに伴って生餌が不足したり、エサの品質が不安定なため魚に病気が出たりします。

【写真】モイストペレットが作られているところ
 生餌(生魚)では蛋白質含量や脂肪含量が季節や漁獲地などにより大幅に変動する為、飼育する魚にバランスのとれたエサを与えることは困難でした。例えばイワシの脂肪含量は2%ぐらいしかない小羽とよばれるものから40%以上もある大羽のイワシまであります。その為、餌料魚の選択を間違えると十分な成長効果が得られないばかりか健康への悪影響もあり、病気とへい死を招き生産コストが高くなってしまいます。この対策としてバランス良く栄養を補う目的で粉末配合飼料を混ぜて与える方法が考え出されました。
 始めは凍結魚を半解凍し、ビタミンやミネラルや天然の澱粉質等を混合した配合飼料をまぶして使っていました。しかし摂餌されずに海域に流出しまう比率が高く、そのことが海域の富栄養化となり赤潮を発生させてしまいます。(赤潮の発生は昭和50年代初めに養殖生産量が大きく伸びたことも原因の一つです。)赤潮に対応するため、与えたエサが魚に全て摂餌されるように考えだされたのが、粒状に成型した、モイストペレットMPです。
★養殖生産が伸びるにつれ・・・
生餌だけでは・・・
・エサの不足
・季節によってエサ(生魚)の品質が違う
・食べ残し(残餌)による環境への影響
このままでは生産コスト高く、 病気やへい死も。

モイストペレットの登場!
・生餌にくらべて、魚の接餌率が高い
 (=環境汚染が少ない)
・エサの品質が安定している
・栄養バランスの面で生餌としては
 与えにくい魚も利用できる
・エネルギー量を容易に調整することが可能
 (=バランスの取れたエサ)
 脂肪の含有量が変動する天然の生魚と栄養バランスを整えた粉末配合飼料を上手に混合すると、養殖魚の肉質がいつも同じになりますし、利用価値がなかった脂分の殆どないスケトウダラもMPにして利用することで、大型のブリをしっかり育てることができるようになりました。
このようにモイストペレットは生魚餌料の栄養バランスの悪さや摂餌時の砕けや有機物の流出を防ぐことができます。

【参考】魚に給餌されたエサのゆくえ ― モイストペレットの場合
◎エサをあげる (給餌 100)
給餌: エサをあげる段階では100%

◎魚が食べる
 (摂餌 81〜97 : 残餌 3〜19)

摂餌: 与えられたエサのうち、実際に魚が食べることのできた比率
残餌: こぼれ落ちたものや魚が食べ残したもの等
◎その後・・・
 (成長 24〜26 : 呼吸 糞尿 3〜15)
成長: 栄養源として体にとりこまれるもの
呼吸: 呼吸やえさを食べる時に必要な代謝量
糞尿: 魚が出す、糞や尿
▼ブリ養殖における平均的なエサのゆくえ(カロリー値)
餌をあげる 魚が食べる その後・・・
給餌
100

摂餌
81〜97


成長
24〜26

呼吸
 
糞尿 3〜15
残餌 3〜19
※下図も参照ください。


出典:(独)水産総合研究センター(横山)

図:魚に給餌されたエサのゆくえ


【参考】魚に給餌されたエサのゆくえ ― 生餌の場合
◎エサをあげる (給餌 100)
給餌: エサをあげる段階では100%

◎魚が食べる
 (摂餌 76 : 残餌 24)

摂餌: 与えられたエサのうち、実際に魚が食べることのできた比率
残餌: こぼれ落ちたものや魚が食べ残したもの等
◎その後・・・
 (成長 14 : 呼吸46 : 糞尿16)
成長: 栄養源として体にとりこまれるもの
呼吸: 呼吸やえさを食べる時に必要な代謝量
糞尿: 魚が出す、糞や尿
▼ブリ養殖における平均的なエサのゆくえ(カロリー値)
餌をあげる 魚が食べる その後・・・
給餌
100
摂餌
76
成長
14
呼吸
46
糞尿
16
残餌
24
※下図も参照ください。


監修:鹿児島大学・門脇秀策

図:魚に給餌されたエサのゆくえ


上記の【参考】のように、エサを与えたときの周辺に流れ出す有機物量は2-3割くらいという調査データもありました。こうしたエサの無駄、環境への影響を考えてエサの種類が変わってきています。
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