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クロマグロ稚魚安定生産へ
陸上で計画的に採卵・ふ化
水研センター、近大など
5年後年10万尾確立
 
     水産総合研究センターや近畿大などでつくる研究グループが今年4月から陸上イケスを使い、クロマグロの稚魚生産を安定化させる技術の開発に取り組む。陸上イケスは海上と違い、日照や水温を管理できるのが特長。採卵とふ化を計画的に行い、5年後に年間10万尾の稚魚を生産する手法を確立する。天然種苗に頼らない完全養殖マグロの生産安定化にもつながる研究だ。
  今回の取り組みは、農水省の農林水産技術会議が水産総合研究センターなどの研究機関に委託して行うプロジェクト研究「天然資源に依存しない持続的な養殖生産技術の開発」の事業の一つ。事業期間は2012年度から5年間。
  これまでの完全養殖は、海上イケスで産卵させていたが、海況や水温により産卵量が変動するため、安定した採卵が難しかった。養殖向けの稚魚(20〜30センチ)に育てるまでの生存率も低く、イケスでの衝突死などを防ぐ技術の開発が課題だった。
  今年4月から、水産総合研究センター西海区水産研究所が、海上イケスで育てた成魚(2歳魚)を、長崎市内に設置する直径20メートル×深さ6メートルの陸上イケス2基に100尾ずつ移す。水温などをコントロールしながら、産卵期の3歳魚まで育て、採卵する。
  採取した卵は空輸で近畿大の実験場に移送し、陸上イケスでふ化させる。体長6センチまで育てた後、船や陸送で同大の海上イケスに移送、養殖向けの稚魚に育てる。近畿大は、海上イケスでの生存率を高めるため、衝突死を防ぐ夜間照明やイケス網の形状などを研究する。
  今回の取り組みに並行して、水研センター西海区水産研究所、長崎県総合水産試験場、林兼産業の3者は、ふ化して間もない仔魚に与える人工飼料や共食いを減らす技術の開発にも取り組む。
2012/12/18 みなと新聞

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