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関東地区:養殖魚についての意見交換会と養殖漁場視察開催
消費者団体、報道関係者など34名が参加
静岡県沼津市内浦漁協にて
活発な質疑応答に予定時間の延長も
 
  (社)全国海水養魚協会(以下全海水)は、関西地区漁場視察に続き、去る10月3日(水)、静岡県沼津市内浦漁協において『関東地区:養殖魚についての意見交換会と養殖漁場視察』を開催しました。この催しは、しっかりした管理体制の下で育てられている養殖魚の生産現場を実際に見て頂き、養殖業について正しい理解を深めて頂くことを目的に毎年行っているもので、今年で10年目になります。今回の参加者は、消費者団体、報道関係者など合計34名でした。
  当日は台風の影響が残り出発時は雨模様でしたが、内浦漁協に近づくにつれて雨足も弱くなり、漁場視察の時には完全に雨はあがり、良い状況のなかで視察を行うことが出来ました。しかし、まだ波が高かったために、ハマチの生け簀には近づくことが出来ず、残念ながら今回はハマチの給餌作業の視察は見送りとなりました。
   ドライペレットを見る参加者
ドライペレットを見る参加者
“マダイの育つ養殖場へ”
  漁協到着後、参加者の皆さんは、早速ライフジャケットを身につけ、チャーターした3隻の釣り船に分かれて乗船、マダイの養殖生簀へと向かいました。船着き場から養殖生簀までは約5分で、参加者からは「意外と近いんですね!」という声もありましたが、水深は45mと深く、潮の流れが非常に早いという説明を聞いて納得の表情に。
  生簀に到着後、生産者からまずえさの説明がありました。ドライペレットを手にした生産者から、「今はドックフードのような固形のエサを養殖魚に与えています」と説明すると、参加者は実際にエサを手に取ってみたり、写真を撮ったりしていました。生簀の中央に設置されている自動給餌機についても生産者がくわしく説明。参加者は、タイマーでエサやりの時間が調節出来ることを知り驚いていましたが、実際に自動給餌機からエサが撒かれる状態を見て納得した様子でした。参加者からは様々な質問があがり、そのうちの一人から、「同じ生簀の中で成長が違う魚がいたらどうするのか?」という質問があり、生産者は「分養の際にサイズを揃えますが、それでも個体差で成長の早い、遅い魚がいます。そういう魚は出荷時に選別します」と説明。餌を与えるだけでなく、出荷時にも生産者の手間がかかっていることを知った参加者は、「自分たちの所に魚が来るまでに色々な苦労があるんですね」と感心した様子でした。その他にも様々な質問が消費者から生産者にぶつけられ、船上での漁場視察は予定の時間を大幅に超えました。
“養殖魚をふんだんに使った昼食!”
  陸に戻った参加者を出迎えたのは養殖魚をふんだんに使った昼食でした。“マダイとマアジの刺身”、“マアジのフライ”、“マアジのわさび葉寿司”、“マダイの味噌汁”、そして“うずわみそ”(内浦地区の郷土料理。駿河湾で捕れたソウダガツオを新鮮なまま加工した万能味噌)等、色とりどりの料理でした。内浦漁協女性部の方から料理の説明を受け、参加者は浜の香りがする魚料理の数々に大満足。
“養殖魚へのそれぞれの思いを!”
  昼食を終え、意見交換会会場へ移動した参加者は、まず全海水の大沼富久副会長(静岡県かん水会長、内浦漁協代表理事組合長)から「我々は、日夜気を緩めること無く安心・安全を心掛けて魚を提供しています。これからも皆様に信頼してもらえる魚を育てていきますので宜しくお願いします。今日見たことや食べて感じたこと、そして気になっていることをご遠慮なく質問・意見してください」と挨拶を受けて意見交換会が始まりました。意見交換では、生産者からは厳しい養殖業の実情やブランド化の取り組み等が説明されました。消費者からの「静岡ではブランド化の取り組みはしていますか?」という質問には、静岡県水産技術研究所の松山氏が「お茶の利用に関しては、県の試験場で行っていて、マダイの日焼けを若干予防できる結果は出ています」と試験段階ではあるものの、静岡県のブランド化事業の取り組みが紹介されました。すると、参加者から、「静岡県らしくお茶とみかんでコラボしてみては?」との提案があり、松山氏は「ご提案も参考にした色々な試験をして、良い結果の出た安心・安全な養殖魚を作り、皆さんに提供したい」「他県・他地域での取り組みとしてエサにオリーブや柚子、カボス、黒酢等を混ぜて与えている」といった事例などを紹介し、地域の特色を活かした養殖魚作り、ブランド化への意気込みが示されました。
  また、参加者からの「魚の美味しい食べ方は?」という質問には、女性部の方から「マダイは刺身で食べるのが一番美味しいのですが、水菜等を使いカルパッチョにしても美味しい」と料理法を紹介。参加者からも「お料理教室があるなら出たい」という声がきかれました。意見交換会は予定時刻ギリギリまで行われ、参加者、生産者双方にとって有意義な会となりました。
  
養殖魚をふんだんに使った昼食
養殖魚をふんだんに使った昼食
意見交換会の様子
意見交換会の様子
  以下に参加された方の感想を一部ご紹介します。
◆養殖魚の見方が変わった。こんなに味が良くなっているとは思わなかった(刺身を食べて)。料理の方法も変わってくると思います。魚は大好きなので家族にますますおいしく調理して食べさせたいです。今日は有難うございました。
◆今回の視察のご案内を頂くまで、特に養殖魚に対して不安に感じたことも、悪いイメージもありませんでした。漁場を見せて頂き、生産者のご意見、ご苦労を伺って、改めて食料生産の大変さを理解しました。手頃な価格でおいしい魚が食べられることに感謝します。
◆ブランド化や特別な成分の配合等で差別化を図るような取り組みが検討されるような動きもあるようですが、私はあまり特別なことをせずに安定的に良い魚を供給してもらうことに専念して頂く方がよいのではと感じました。(消費者も流通もあきっぽいので)
◆海なし県に住んでいるので新鮮な魚は所属する生協の冷凍物くらいしか手に入らない。安定した供給の養殖魚はとても大切な存在です。これから育つ子供たちに魚料理のおいしさを教えてやって下さい。地元の子供たちの給食にも利用されたら良いのでは。家でなるべく魚料理を増やすようにします。エサが外国産頼りというのが少し未来に対して不安です。
◆養殖に対する悪いイメージがあったが、エサ等の話を聞いたことにより、イメージが良くなった。天然物より品質が安定している分、今後購入したい。
  漁場視察を終え、帰路につく消費者からは「大変勉強になりました」「他の人にも今回のような体験をして欲しいので、来年は同じ団体の人にも勧めます!」といった嬉しい声を聞くことが出来ました。全海水では今後とも生産現場からの情報発信に努めて参ります。また、参加者の皆様のご意見・ご感想は、全海水を通して生産者に伝え、消費者の皆様によりおいしい、安心、安全な養殖魚をお届けするための糧と致します。今後とも養殖魚(業)をよろしくお願い申し上げます。

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