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凍結精巣から魚を生産
絶滅危惧種の保存が可能に
将来はクロマグロも
東京海洋大吉崎教授ら
 
  東京海洋大大学院海洋科学技術研究科の吉崎悟朗教授らは“凍結保存”した精巣から、新たに精子と卵を生産できる研究結果を1月14日、米国科学アカデミー紀要電子版に発表した。吉崎教授らはニジマスの凍結精巣から精子や卵の元となる精原細胞を取り出し、代理親となる不妊手術を施したニジマスの雄と雌に移植。代理親から、凍結精巣由来のニジマスを生み出すことに成功した。    吉崎悟朗教授
吉崎悟朗教授
  「理論上は精巣の永久保存が可能だ」という吉崎教授は、今回の成功から「絶滅危惧種の魚の精巣を凍結しておけば、生産がいつでも可能となるため、生息環境の悪化から絶滅の恐れがある魚の保護につながる」と大きな期待を寄せる。現時点ではヤマメの凍結精巣の精原細胞をニジマスに移植し、ヤマメを生産することが可能であることを明らかにするとともに、クロマグロにも言及。現在クロマグロの精巣凍結を行っており、将来的には「クロマグロの生産も可能」との見通しを語った。
  研究ではニジマスの精巣を卵黄やトレハロース、有機化合物のジメチルスルホキシドとともに緩慢凍結。液体窒素内で98日間凍結保存した精巣を使用した。凍結精巣内での細胞の生残率は一定の値を示し、728日間経過した場合でも33.5%と高い数値だった。   
ニジマスの精原細胞を代理親となる仔魚に移植する様子
ニジマスの精原細胞を代理親となる仔魚に移植する様子
  融解した精巣から精原細胞を取り出し、免疫能力が未熟な雄と雌のニジマス仔魚に移植。精原細胞は仔魚の生殖腺内に取り込まれ、卵や精子を作り出した。精原細胞を移植した仔魚が精子を作ることが可能となった雄は全体のうち、満4歳で56.3%と高い成熟率。卵を作り出すことが可能となった雌は満4歳が46.2%と高い値だった。
2013/1/16 みなと新聞

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