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長崎 夏のトラフグ料理 地消拡大へ
"夏に新鮮"観光客
養殖 全国一の産地一丸で試み
 

【長崎】「夏のトラフグメニューは予想外のヒットだ」。そう語るのは長崎市の料亭「活鱗房 仁」の谷井清一郎総括料理長。日本一の養殖トラフグの産地、長崎で生産者や飲食店、行政が一体となった夏のトラフグ需要開拓が今夏から始まった。

トラフグは冬のイメージが強い魚。主な消費地の関西や山口地方では、ほとんどを年末、年頭など冬季に消費する。一方、長崎県は最大産地でありながら県内でそれを知る人は少なく、県内でトラフグのメニューを口にできる飲食店も関西などと比べ少ないのが現状だ。

長崎県は今年3月、県内でのトラフグ普及を目指し、漁協と県内調理師会らの代表との意見交換会を長崎市内で開いた。会には県内生産者を代表し新松浦漁協の下松哲筆頭理事や長崎市たちばな漁協の道下雅久専務らが参加。調理師会の代表者らがHACCP対応の加工施設「新松浦漁協加工場」で身欠き加工された県産養殖トラフグを試食した。

  

試食会に参加した飲食店の代表者は「天然と比べなんら遜色ない。素晴らしい味だ」と好評だった反面、「長崎が生産量日本一だと今日、初めて知った。『日本一』はメニュー化で大きな宣伝文句になる。もっとPRすべきだ」との意見も出た。

今回、県産養殖トラフグをメニュー化した「活鱗房 仁」は長崎市中心街に立地する「ベストウェスタンプレミアホテル長崎」内の料亭。3月の意見交換会に参加した調理師会の一つ「長崎調理龍友つくし会」に所属する。

   料亭「活鱗房 仁」の外観
料亭「活鱗房 仁」の外観

同店のメニュー期間は7月1日〜8月31日の夏季限定で「新松浦漁協加工場」で身欠きされた同漁協の養殖トラフグを使用。メニュー名は「夏河豚づくし会席」として主に観光客に提供された。主な料理内容は、ふぐ白子豆腐、ふぐ皮煮凝り、ふぐ真薯、ふぐ昆布〆、ふぐ霙煮、ふぐ塩麹焼き、ふぐのレモンソース、ふぐ鰭酒シャーベットなどで夏に合わせた斬新な調理内容としている。

谷井料理長は「トラフグの夏のメニュー化は初めてだが『夏にトラフグは新鮮』と注文する客が多く驚いた。特にお盆の時期は大盛況だった」と話す。谷井料理長によると、客に料理を出す際に「長崎は日本一のトラフグ産地です」と一言加えた。聞いた注文主は「日本一と知ると、おいしさが増す」と満足顔だったという。

谷井料理長は「身欠きで仕入れれば、調理にトラフグ調理師免許はいらない。県産トラフグをメニューに採用する料理店は今後、ますます増えるだろう」と話す。県内では同店に続き、長崎市内の中華料理店「中華屋 竹林」でも県産トラフグコース料理の提供が今夏スタートしている。

2014/9/4 みなと新聞

   料亭「活鱗房 仁」の料理見本
料亭「活鱗房 仁」の料理見本

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