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世界市場、引き続き魚価高:FAO水産物需給予測
2012年、底堅い需要支え
1人当たり消費量19.2キロに
総生産量は1億5730万トンへ
 
  FAO(国連食糧農業機関)が今月発表した「世界の食料価格動向分析」(2012年の数値は1〜4月)によると、12年の世界の水産物の需給動向は、南欧など一部の伝統的市場では需要にかげりがみられるものの、全般的には底堅い需要に支えられて、養殖物の大増産が進み、漁獲生産(天然物)の減少傾向をカバーするとみられている。このため、世界の魚価指標は、12.4%増となった昨年に続く魚価高を想定している。12年の水産物貿易も前年比9.4%増で、前年の16.1%増には及ばないものの、引き続き堅調な伸びが見込まれている。
     12年の予想総生産量は、11年比2.1%増の1億5730万トン。うち、養殖生産が5.8%の大幅増となり、予想される太平洋水域の小型浮魚類の漁獲量減少を補完してこれを上回る。
  12年の一人当たり食用魚介消費量は19.2キロと見込まれ、11年の1.1%増を上回る2.6%増を達成。供給源は主に養殖物になるが、漁獲生産物(天然物)も飼料ではなく食用に回ると見込まれ、食用向けが増える。

  魚価指標はこの9ヶ月間(3連続四半期)引き続き上向き基調で推移。とりわけ、ツナ(カツオマグロ類)、ニシン、サバ、イカ類が高値。養殖物は魚種により格差が出ており、増産によりサーモンは11年比下落する。一方、減産を余儀なくされた養殖エビは高値が予想され、FAOの12年魚価指標は前年を上回る12.4%になるとしている。

     今年の欧州市場では、景況悪化による需要の低迷が懸念されるが、4月末に開催されたブラッセルシーフードショーの様相から見る限り、水産物の市況は、魚種による生産事情に左右され、需要減の影響は少ない。
  景気低迷から需要減が心配されたスペイン、イタリア、フランスなど伝統的な主要マーケットでの水産物需要も、引き続き堅調に推移している。結果として、魚価指標は高値に張り付き、とりわけ、餌とエネルギーコストが跳ね上がっている漁獲物(天然魚)で魚価高が目立つ。

  一方、11年に比べ、増産で魚価が下落した養殖サーモンは、すべての市場で需要増につながり、大幅な消費意欲の高まりがみられる。
  主要食料価格指標(穀物など)が世界景気を反映して不安定であるのに比べ、水産物の価格動向は堅調な需要に支えられて安定している。
2012年5月23日 水産経済新聞

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