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世界初 クロマグロ陸上採卵に成功
種苗安定生産へ「第一歩」
水研センター
 
産卵後1時間のクロマグロ受精卵
産卵後1時間のクロマグロ受精卵
  

人工種苗の安定生産へ第一歩―水産総合研究センターが、水温や日長など環境条件を制御できる陸上水槽でクロマグロ採卵に世界で初めて成功した。今後、環境条件を変えて産卵数を更に増やしながら、DNA解析も行い、安定した採卵技術の開発につなげる。

同センターが23日発表した。研究は長崎県の同センター西海区水産研究所長崎庁舎のまぐろ飼育研究施設で行われている。今回産卵したのは人工種苗から育てた3歳魚(28キロ)。大型陸上円形水槽2基(各63尾)で環境条件を制御しながら育てていた。

16日午後5時50分ごろに産卵を確認。17日朝までに1万5400粒を採卵したところ、受精卵はうち9600粒だった。18日午前中には7840尾がふ化した。産卵時の水温は20.2度。日長時間は自然と同じ条件に設定していた。

現在、クロマグロの人工種苗は海面イケスで育てた親魚から採卵しているが、環境条件が変化しやすく、親魚の成熟や産卵が不安定だった。人工的な飼育環境下で安定した採卵ができれば、資源が悪化する天然ヨコワの利用を抑えられる。

「将来は植物工場のように日長を変えて産卵時期を調節できるようにもなる」。23日、水産庁で会見した西海区水産研究所の虫明敬一まぐろ増養殖研究センター長は今後の研究の可能性を強調。研究で得られる生物学的データはクロマグロ資源評価の精度向上にも役立てられる。

研究は農林水産技術会議委託プロジェクト研究「天然資源に依存しない持続的な養殖生産技術の開発」(2012〜16年)の一環。年間10万尾の養殖原魚を安定生産する技術の開発に取り組んでいる。

2014/05/26みなと新聞

   虫明敬一まぐろ増養殖研究センター長
虫明敬一まぐろ増養殖研究センター長

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