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ホシガレイ、緑LEDで体重1.5倍
水研センターと北里大グループが確認
 
「LEDで緑に照らされた水槽」(高橋教授提供)
「LEDで緑に照らされた水槽」(高橋教授提供)
  

特定の色(波長)の光を魚に照射することで、種苗生産や養殖する魚の成長を促進できることが分かってきた。緑色に感受性の高いホシガレイに対し、約3か月間、緑色LED(発光ダイオード)を照射し育成した実験では、通常に比べ体長で10%、体重で1.5倍に成長したという。特定の色による魚の成長促進はホシガレイ以外の魚にも有効なことが分かっており、種苗や養殖魚生産の効率化に大きな効果をもたらしそうだ。

この研究は、北里大学の高橋明義教授が行ってきた特定の光で魚の成長が促される基礎研究のもと、水産総合研究センター東北区水産研究所沿岸漁業資源研究センター資源増殖グループと、高橋教授、スタンレー電気(株)などの研究グループが、50トン水槽の量産規模で実施した。 研究資金には、復興庁と農林水産省による「食糧生産地域再生のための先端技術展開事業(平成24-26年度)を活用した。

実験は昨年7月に実施。日中の自然光に加え、ホシガレイに緑色LED光を7時間照射したところ、緑LED光が照射されたカレイは約3か月後に体長が10センチから18センチまで成長。緑LEDを照射していないカレイが16センチにとどまる中で10%以上の成長促進が確認された。

体重も、自然光のみのカレイが3か月間で18グラムから55グラムの成長にとどまったのに対し、緑LEDを使ったカレイは80グラムと自然光の1.5倍に成長したという。

養殖試験の前、春先に行われた種苗中間育成でも、緑LEDを使った種苗は約3か月で4センチから8センチまで成長したのに対し、自然光のみの種苗は8センチに成長するまで4か月を要した。種苗の中間育成では放流適期に合わせるために加温して成育を促すこともあるが、緑色LEDを使えば加温せずに成長を早められ、コスト削減にもつながる可能性がある。

ホシガレイ以外でも可能性

ホシガレイ以外の魚でもLED光で成長を促進できる可能性が分かっている。魚種によって色も異なり、現在も研究が進められている。

特定の光を照射することで成長するメカニズムについてはまだ詳しいことは分かっていない。だが、基礎研究を行う高橋教授によると、成長ホルモンに変化がない中、明るい色へ体色をどうかさせようとする時に出るメラニン凝集ホルモン(MCH)だけが変化をみせた。同ホルモンは哺乳類の場合、食欲促進に重要な役割を果たしており、「ホシガレイも同様に、MCHが関与しているのでは」と示唆する。

今回実験を行った水研センターの清水大輔主任研究員は、「照射した光は一般の部屋の明るさより少し明るい程度。ランニングコストの安いLEDで成長促進が図れれば魚の中間育成や養殖をより効率よく行えることにつながる」と話している。

2015/05/12 水産経済新聞

「3か月でこれだけの成長差に」(清水主任研究員提供)
「3か月でこれだけの成長差に」(清水主任研究員提供)
  

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