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「ヒラマサ」で経営安定を
大分県が生産業者に提案
ブリとの複合養殖に着手へ
 
出荷される養殖ヒラマサ(渡辺水産)
出荷される養殖ヒラマサ(渡辺水産)
  

【大分】県内ブリ養殖漁業者の経営安定に向け大分県は、ヒラマサとの複合養殖を生産者に提案している。ヒラマサはブリの施設を共用できるうえ、比較的単価が高い。夏に旬を迎える点がブリと異なり、2魚種の生産でブリ類を通年供給でき、冬場に集中するブリの出荷作業が緩和される利点ももつ。県では平成28年度は10万尾のヒラマサ人口種苗生産を目標としており、今年度は県下10軒の養殖業者への供給を始めた。

ヒラマサは適度な歯応えと程よく乗った上品な脂が特徴で、旬の夏場にさっぱりと味わえる。同県の養殖生産量は年間1000-1500トンで全国1位の長崎県に次ぐ。平均単価はキロ1000円以上と、ブリに比べ高値で推移する。

ただ種苗は、中国産天然魚に多くを依存しており、生産量は年でバラつぎが激しい。輸入量や種苗価格の不安定さを補完するため、県はヒラマサ人口種苗の技術開発に着手した。県漁業公社は25年に5万2000尾の種苗を2軒の養殖業者へ配布して以降、26年が7万6000尾・4軒、27年は7万1000尾・8軒と徐々に扱いを増やしてきた。28年は10万尾・10軒を目標に、6月中旬から配布を始めている。

JFおおいたもヒラマサとの複合養殖に期待する。近年のブリ市場は天然魚の増加もあり、供給過多の傾向がある。種苗確保も年により困難で、近年の県生産量は1万5000トンから2万トン弱と変動が大きい。作業の均一化も加味し、特にブリ単一生産者に有効と考えるからだ。

餌にカボスを混ぜた「かぼすブリ」と同様、将来は「かぼすヒラマサ」の生産も視野に入れる。「夏場はヒラマサで『かぼすブリ類』の出荷期間を延ばし、さらなる知名度向上につなげたい」(JFおおいた成松和寿経営事務部長)とし、早くも「かぼすヒラマサ」を商標登録した。

種苗、販路拡大に課題

一方で課題も多い。26年から漁業公社のヒラマサ人口種苗を導入した渡辺水産(佐伯市)の渡辺満晴社長は、変形の多さや病気による歩留まりの悪さを指摘している。選別がしやすく魚病への抵抗に強い25センチ前後に育つ10-11月の配布を要望する。

販売価格についても、種苗の多い年級の出荷は、ブリ同様の価格まで下がったことから、「種苗を増やすなら、売り先も考えてほしい」と言及する。

県水産振興課は「当面は10万尾生産を維持し、並行する流通対策で販路拡大を確認してから、種苗生産の増加を検討する」としている。

2016/07/06 水産経済新聞

夏場にさっぱりした味が特徴
夏場にさっぱりした味が特徴
  

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