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スマホで養殖魚に給餌―ウミトロン
飼料無駄なく高成長
 
スマホで摂餌状況を見ながら給餌調整ができる
スマホで摂餌状況を見ながら給餌調整ができる
  

ベンチャー企業のウミトロン(東京・江東区、藤原謙代表取締役)は、自動給餌機に取り付けたカメラを通し、遠隔地でもリアルタイムに養殖魚の摂餌状況をみながら、餌の量を調整できるシステムを開発した。スマートフォン(スマホ)などで確かめられる。実証試験に協力した養殖業者は「餌を無駄なく使え、省力化も含めた経営改善が図れる」などと評価した。

試験を行う愛媛・愛南町は、国内で流通される養殖マダイの約2割を生産する。ただ、生産コストの6-7割を占める餌代は、担い手不足と合わせて養殖経営を圧迫している。

人件費削減のため、マダイなどでは設定した時間に餌を落とす自動給餌機が広く利用されている。しかし、摂餌が悪い日も餌を落とし続けるため、無駄にする場合もある。逆に不足に気づかなければ、成長の好機を逃すことになる。

藤原代表取締役は愛南町の養殖業者を訪ね、「本音は見ながら給餌したい」との声が多く寄せられたことから同システムを開発した。既存の給餌機を利用した新システムは、スマホなどでリアルタイムに給餌状況を見ることができ、摂餌が悪ければ即座に給餌機の稼働を止められる。

試験に協力したJF愛南漁協青年漁業者連絡協議会の中田知公会長は、「その場にいなければできない微妙な給餌量の調整が遠隔地から行えるため、無駄な給餌を抑えられた」と評価する。まだ餌を欲しがっている様子が分かれば、給餌量を上げる判断ができ、高成長につながったという。飼育期間が短ければ、その分コスト削減が図れる。

映像の確認や給餌機の操作はスマホやタブレット、パソコンで遠隔地から行えるため、荒天時に沖へ出る危険性もない。省人・省力化にも貢献する。効果を実感した中田会長は「イケス1基に1台のシステムを搭載したい」と、複数基による同時監視を提案した。

カメラやコントローラーは、イケス上の給餌機に設置している。「水中からも摂餌行動を見たい」という提案も多いそうだ。藤原代表取締役は「水中・水上のどちらからでも監視できる製品の開発にも取り組んでいる」と話し、実用化を急いでいる。

2017/04/20 水産経済新聞

既存の給餌機(奥)と連動するシステム本体。矢印がカメラ
既存の給餌機(奥)と連動するシステム本体。矢印がカメラ
  

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