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人工種苗の魚を認証、世界に先駆け制度化
「SCSA」持続可能の目印に
 
安価な認証制度で多くの生産者の取得を目指す。升間理事長(右から3人目)、有路副理事長(その左)ら
安価な認証制度で多くの生産者の取得を目指す。升間理事長(右から3人目)、有路副理事長(その左)ら
  

大学などの研究者

 世界初という持続可能な水産養殖のための種苗認証(SCSA)制度が始まった。NPO法人持続可能な水産養殖のための種苗認証協議会は12月7日、東京で記者発表を開き、同日から認証受け付けを始めた。理事長の升間主計近畿大学水産研究所所長は「人工種苗技術は日本が発祥。(認証制度を始めることで)人工種苗は日本というイメージをもってもらえるようにしたい」と話し、世界に後れを取ることがないよう制度を立ち上げたと経緯を説明した。

升間理事長は「世界的には持続可能性を示す種苗でないと扱わないという流れがあり、そういう水産物を買いたいというニーズは高まっている。今後はもっと高まってくるとみて、9月に協議会を立ち上げることにした」と振り返った。

年明けにも認定第1号

近畿大学水産養殖種苗センターがすでに申請しており、1〜2月にも第1号として認定される見通しだ。認証されれば現在池入れされている水産物についても、出荷の際にはロゴマークを貼付できるようになる。

養殖水産物を認証する制度として養殖エコラベル(AEL)や水産養殖管理協議会(ASC)があるが、種苗を認証する制度はなかった。SCSAがスキームオーナーとなり、審査は第三者機関である認証機関によって行われる。世界でも最大クラスのビューローベリタス社がすでに、認証機関に認定されている。

ASCや養殖認定の準備を始めているマリン・エコラベル・ジャパン協議会(MEL)ではスキームオーナーそのものを、国際機関が認定する仕組みを取っているが、SCSAはこうした認証制度にはしていない。

副理事長の有路昌彦近畿大学世界経済研究所水産・食料戦略分野教授は「SCSAは ISO17065にのっとった仕組みとしており、十分信頼性を担保できる。世界的にも、(スキームオーナーが)国際認証を受けているところは多くない。むしろ多様な認証を認める風土がある」とすう勢について話し、「国際認証を受けるとなると、コストは倍に跳ね上がる。多くの養殖業者に認定を取ってもらうために低コストの体制とした」と話した。

認証コスト安価に設定

SCSAの認証取得コストは1魚種、1サイトで40万円程度。毎年更新が必要だが、多くの認証制度が導入しているラベルシールごとの課金はしない。

有路副理事長は「欧米発の認証制度もあるが、日本発祥の世界最先端の技術を武器として発信するためにもつくり上げた」と認証制度の狙いについて説明し、「人工種苗を持続可能性のための技術として肯定し、世界中の消費者に示すことで水産業を成長産業化させる武器としたい」と展望を示す。

対象としているのは、海産養殖魚やサケ・マスなどの淡水魚、人工種苗でつくられるすべての魚種だ。

NPO法人の種苗認証協議会は、今年9月に水産研究・教育機構、東京海洋大学、高知大学、近畿大学の研究者が設立。理事には婁小波東京海洋大学教授、家戸敬太郎近畿大学水産研究所教授、宮田勉水産研究・教育機構中央水産研究所主任研究員、深田陽久高知大学准教授が就任している。

2017/12/11 水産経済新聞

SCSAのロゴシールを貼ったブリとタイの商品イメージ
SCSAのロゴシールを貼ったブリとタイの商品イメージ
  

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