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愛南サツキマス、海産親魚で生残率向上
出荷数増、成育も良好
 
「養殖サーモンに特有の臭みがない」と鯵の評価も高い愛南サツキマス
「養殖サーモンに特有の臭みがない」と鯵の評価も高い愛南サツキマス
  

愛媛県愛南町は、新たな海産養殖魚として注目されているサツキマス(淡水域でアマゴ)の出荷に向け、最終調整を行っている。今季は前年に海水適応した個体を親魚に用いたことで沖出し後の斃死が激減し、生残率が向上した。成育に適正な海域も見いだされており、より大きな個体での増産を見込む。

サツキマスは川魚のアマゴの降海型。町内のNPO法人ハートinハートなんぐん市場がアマゴを養殖し、JF愛南漁協や同青年漁業者連絡協議会が海面で育て、愛媛大学南予水産研究センターと町がサポートしている。産官学連携で養殖した純愛南産魚を「愛南サツキマス」と名付け、2016年春から本格出荷を始めた。アマゴを海水馴致させる際の生残率に課題を残してきたが、対策にめども立ち始めている。

昨年春には海水に適応した成長のよいサツキマスを再び淡水に戻し(逆馴致)、親魚として確保、採卵。ふ化後200グラム前後まで成長させたアマゴを1月に海水馴致させた群は、ほぼ斃死がなく、海水適応に強い生産手法を確立した。

海面養殖の盛んな同町では、年末の最盛期を過ぎると空きイケスが増える。年明けから沖出しするサツキマスは、裏作としてイケスの稼働率向上に貢献するが、海水温が20度を超えると餌食いが落ちるため、育成期間が限られるのも課題だった。

今季は「1〜2月に水温が安定する」「3月以降の適水温期に潮通しがよい」という2つの漁場を探り当てた。養殖海域を組み合わせ、餌食いのよい期間の長期化を見込む。

愛南漁協の岡田孝洋販売促進部長は「生残率が高く、短期間で大きく育てる可能性に道筋を付けた」と成果を話す。今季は沖出し尾数を昨年の2,500尾から8,000尾へと増産し、高成長群はすでに昨年の平均出荷重量の600グラムを超え、800グラムに成長している。

一部は町内の飲食店などへ出荷を始めたが「刺身にして歩留まりの高い1.5キロまで育てたい」とも考える。天然下では希少なサツキマスの養殖法確立で、乱立するご当地サーモン業界に確固たる立ち位置を築く。

2018/04/19 水産経済新聞

  

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