豊かな漁場と生産者の巧みな技術

「戸石とらふぐ」利用促進呼び掛け

2019年09月3日

長崎市と長崎市たちばな漁協、地元飲食業界と「マッチング試食会」

戸石とらふぐ
戸石とらふぐに関心を示す飲食業者

全国一の養殖トラフグ生産県・長崎の三大産地の一つ、長崎市戸石の「戸石とらふぐ」の地元消費拡大と観光資源化を目的に、市とJF長崎市たちばな漁協は8月28日、市内のメルカ築町で市内飲食店、ホテルとの「マッチング試食会」を開き、飲食業界での利用促進を呼び掛けた。

長崎市の特産魚ながら、大半が関西、下関に出荷され、地元消費が1割にも満たないことから、市内の飲食店、ホテルの協力で地産地消、観光客の認知度向上を目指そうと開いた。

試食会には、飲食19業者、33人が参加。同漁協養殖部会(11業者)の里隆行部会長、市水産担当者らが「戸石とらふぐ」の魅力を語り、市内飲食店の料理長らが調理した和、洋、中のトラフグ料理4種を参加者に試食提供。最後に参加者との商談会を開き、活発な商談を繰り広げた。

「戸石とらふぐ」はプリプリの食感で、養殖技術の向上によって黒い筋がほとんど入らないのが特徴で、高品質のオオナゴ、コウナゴを餌として与え、体調に合わせてビタミン剤などのサプリも使用。かみ合い防止のために出荷まで5回の歯切りを行うなど、徹底した養殖管理を行っている。

商談会では、身欠き、ラウンド、活魚、活〆、冷凍などの納入形態や、納入価格、身欠き料金、受け取り方法、決済方法などを説明。最需要期の冬場に向け、参加者の多くが新規取り扱いに関心を示していた。

市によると、「戸石とらふぐ」の市民認知度は82%と高いものの、食べたことのある人は14%にとどまる。提供する飲食店も少なく、観光客の認知度が低いことから、養殖生産量日本一のトラフグの地元消費拡大、観光資源化による観光客の認知度向上が課題となっている。

2019/9/3 水産経済新聞

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