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養殖魚のエサ
養殖が始まった頃は、日本近海でマイワシが豊富に獲れていたことから、生餌が与えられていました。しかし、マイワシの減少、養殖魚の品質向上、漁場環境の保全等の理由から、より優れたエサの開発が進められてきました。
そこで、作られた物がMP(モイストペレット)であり、DP(ドライペレット)です。
使用されるエサは、生餌⇒MP⇒DPと時代と共に変わり、現在は、魚の種類や成長度合、水温など様々な要因により主にDPとMPを使い分けています。
将来的にはDPのみで魚を飼うようになる事が予想されます。
養殖魚のエサの種類
生餌(なまえさ)
形状
生魚の切り身
原料
多獲性魚種(一時的にたくさん獲れる魚の総称)である、イワシ類(マイワシ・カタクチイワシ)、サバ類、スケトウダラ、サンマ、アジ類など。
使用状況
現在では、生餌のみを与えることはほとんどなく、主にMPの原料として使用されています。
モイストペレット
形状
半生の固形タイプ
原料
生餌、魚粉、魚油など
使用状況
混ぜ合わせる割合を変えたり、ビタミンなどの栄養剤を加えることもでき、養殖業者自らの判断で、魚の様子に合わせたエサを作れるため、現在最も多く使用されているエサです。
ドライペレット
形状
乾燥した固形タイプ
原料
魚粉、小麦粉、大豆油かすなど
使用状況
養殖する魚に合わせて、バランスよく栄養素が入っていて、しかも形がしっかりとしているため、水に入っても崩れることはなく、ほぼ100%魚の口に入るため、環境にやさしいエサといえます。
養殖魚のエサの与え方(給餌方法)
魚の成長や味はもちろん、自然環境に配慮して給餌しています。
お腹がいっぱいになるまで与える(飽食給餌)のではなく、栄養学をもとに魚のエネルギー要求量を計算して魚を与えて(適正給餌)います。
エサが残って海を汚すことはないので、環境に優しい給餌方法といえます。
主な対象魚
稚魚やトラフグ、ヒラメなど
使用方法
魚が小さいときやゆっくりエサを食べる魚(トラフグ、ヒラメなど)への給餌方法です。
主な対象魚
ブリ(ハマチ)、カンパチなど
使用方法
船に備え付けた専用の機械を使ってエサを与えます。
エサを勢いよく沢山食べる魚への給餌方法です。
主な対象魚
マダイ、シマアジなど
使用方法
生簀(いけす)中央に設置した自動給餌機で魚にエサを与えます。
毎日魚の状態や水温を確かめ、エサの量や給餌時間などを設定します。
養殖魚の差別化の取り組み
抗酸化作用(酸化しない、あるいは酸化を遅らせること)があるポリフェノールやクエン酸などが含まれている食品やフルーツをエサに加えることにより、魚の変色や傷みを抑え、製品の価値を高める工夫や生魚を食べ慣れていない方にも美味しく食べられるよう臭みを抑える工夫等を行い、差別化を図っています。