フグ在池薄く好相場期待
2018年11月22日
山口下関の卸らと意見交換
山口県下関市のフグ卸、仲卸と長崎県北松浦地区(北松)のトラフグ生産者らが情報交換する「北松・下関ふく懇親会」が9月15日、長崎県佐世保市内であった。下関唐戸魚市場によると、9月からの今期養殖トラフグ出荷対象尾数(2、3年魚の在池尾数)は「前期より2割程度少ない」との調査結果。年末までの在池消化が順調に進めば需給が締まり、年明け以降の相場下落が避けられるとの可能性を示した。生産者からは好相場を期待する声が上がった。
この懇親会は今年で16回目。下関からは下関唐戸魚市場、下関唐戸魚市場仲卸協同組合の各社、北松からは佐世保・小佐々・松浦地区のトラフグ生産者、種苗生産者と運送会社ら約80人が出席した。
冒頭、見原宏下関唐戸魚市場社長は「今期開幕から相場が一挙に好転とはいかないが、生産現場と消費動向を注視し、産地と連携して安定供給、相場安定化に取り組む。また、ふく食解禁130年の節目にあたり、大々的なPRで消費を盛り上げていく。フグ調理師免許の全国統一に向けても産地の皆さまの協力を願う」と呼びかけた。
生産者を代表して九十九島漁協鹿町支店の新立三好氏が「猛暑の中で大切に育てたフグを下関の皆さまと連携を密にし、出荷販売していきたい」と述べた。森本徹下関唐戸魚市場仲卸協同組合理事長は「9月からの今期の相場は前期とほぼ同水準でスタートした。需給がピークになる年末に向け、しっかりと売り、買い支えることで相場維持に努める」とあいさつし乾杯した。
16日は長崎県佐世保市下船越町のヤマサ水産(佐藤隆士社長)の養殖場とトラフグ稚魚の歯切り作業を下関の仲卸らが視察。現地でトラフグを身欠きにして肉質や色も確認した。同社はイケス40台で年3万~4万尾のトラフグを出荷する。佐藤社長は「成育、歩留まりともに例年並み。下関南風泊市場への初出荷は28日で1尾800グラム平均を見込む。好相場を期待している」と話す。
2018/9/19 みなと新聞