豊かな漁場と生産者の巧みな技術

「ボンタンぶり」販売好調

2018年10月5日

鶴長水産が帝国ホテルにも納入

鶴長洋一社長
鶴長洋一社長

養殖業者の鶴長水産(鹿児島県長島町、鶴長洋一社長)が生産する「ボンタンぶり」「ボンタンかんぱち」の販売が好調だ。鹿児島産ボンタンを加えた飼料で育てた魚で、かんきつ系の風味が楽しめる。2年前からは帝国ホテル(東京都千代田区)への納入も実現し、順調に販路を広げている。

同社は1976年創業。北さつま漁協(同県阿久根市)に所属し、長島海峡でブリ、カンパチを育てる。強みはモジャコ(ブリ稚魚)採捕から養殖、加工、販売までを全て自社で行うこと。「資源状況が不安定となる中、自社で養殖する魚の種苗は自ら確保できるようにしている」(鶴長社長)

ボンタンを使った養殖魚の生産を始めたのは5年前から。自ら値決めできる商品を作ろうと動いた。冬から春に収穫されるボンタンを仕入れ、シャーベット状に加工。飼料に加えて給餌する。出来上がった魚は臭みがなく、かんきつ系の風味がする。

年間出荷尾数はブリ、カンパチとも約1万尾。鶴長社長は「今後も生産量を増やしたい」と意気込む。

主な販路は量販店のマルナカ(同県薩摩川内市)、ディスカウントストアのダイレックス(佐賀市)、登録制卸のメトロキャッシュアンドキャリージャパン(東京都品川区)、帝国ホテルなど。「小さな業者でも努力すれば、一流の企業と取引できる可能性がある」(鶴長社長)

現在は餌に甘夏を加えて養殖した新商品「甘夏ぶり」を開発中。来夏の出荷を目指している。

かんきつ系の風味が楽しめる「ボンタンぶり」

2018/10/5 みなと新聞

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