愛媛・宇和島養タイ特売開始 早朝の仙台市場で仙台水産、全面協力
2020年08月11日
愛媛県宇和島市の岡原文彰市長が8月7日早朝、仙台市中央卸売市場を訪れ、特産の養殖マダイをPRした。新型コロナ禍に対応した独自企画「#鯛たべよう」に呼応し、県内約250の小売店などで特別販売が開始されるのに合わせた取り組みで、大卸の(株)仙台水産(本田誠社長)が全面協力。地元・仙台の郡和子市長も駆け付け、集まった報道陣を通じて市民に「宇和島とは歴史姉妹都市提携を結ぶ縁深い関係。食べて応援し互いの絆を深めよう」などと呼び掛けた。
仙台・郡市長も消費呼び掛け
宇和島では全国の約6割に相当する年間2,700万尾のマダイが養殖されているが、コロナ禍による外食需要の激減で最盛期の春先に出荷が停滞。「まるで動かなくなった」(岡原市長)という未曽有の事態を打開するため、市は5月に「#鯛たべよう」と銘打った独自の生産者応援企画を開始した。
インターネットやポスターなどで消費を呼び掛けたり、買ったり食べたりした人に交流サイト(SNS)での投稿を呼び掛けるという内容で、その趣旨に賛同して地元以外でも販促ツールを使ってPR販売する飲食店や量販店が増大。岡原市長によると、今回の販売は先月来仙した際に仙台水産に直接依頼した結果、半月余りという「驚きの早さで実現した」という。
仙台水産によると、今回の販売には延べ17社が県内に展開する食品スーパー、量販店、鮮魚専門店、回転寿司店など約250店で実施。16日までの10日間にわたり、それぞれにメニュー提案などを交えて「宇和島マダイ」を前面に打ち出した特別販売を行う。
岡原市長は午前5時すぎに来場。さまざまな販促ツールや商品、料理提案がずらりと並ぶ特設会場の一角に陣取り、行き交う買参人に「宇和島マダイ」の魅力をアピールした。刺身を卵とめんつゆに漬け込み、ご飯に乗せて食べる「宇和島風たいめし」の試食も振る舞い、多くから「うまい」と絶賛されていた。
セリ前のセレモニーでは、本田社長が「産地を応援したい。その一心で今回の販促イベントの実施に協力した」と説明。これに対して岡原市長は「窮状を理解し、ご協力いただけて本当にありがたい」と感謝した。郡市長は「試食したが本当に美味。宇和島市の思いを理解して多くの市民が食べ、互いの絆が深まれば」などと期待した。
2020/08/11 水産経済新聞