豊かな漁場と生産者の巧みな技術

「琉球すぎ」生産・販売スタート

2021年06月16日

㈱太新、㈱ヤンバル琉宮水産

沖縄唯一の県産養殖魚目指し
「琉球すぎ」を紹介する(左から)東ヤンバル琉球水産社長、亀谷沖縄漁連専務。右端は田端太新社長

「琉球すぎ」を紹介する(左から)東ヤンバル琉球水産社長、亀谷沖縄漁連専務。右端は田端太新社長

亜熱帯の海洋特性を生かし、総合水産の㈱太新(本社=東京・港区、田端新也社長)と㈱ヤンバル琉宮水産(沖縄・大宜味村、東勤社長)は、南方系・スギの養殖生産と沖縄県内での販売をスタート。県水産会館で6月9日、県産養殖魚「琉球すぎ」としてPRする販促プロモーションを行った。

スギはスギ科スギ属の海水魚で、東南アジア、沖縄など温暖な海域に分布。海水温が20度C以上でないと養殖できないため、沖縄唯一無二の養殖県産魚としての将来性が期待されている。

両社の共同プロジェクトとして生産、販売に乗り出した。古宇利島周辺海域に直径40メートルの大型イケス6基、8メートルイケス18基を設置。環境負荷が少ない㈱ヒガシマル(鹿児島・日置市)の高品質EP飼料を用いて養殖生産している。

6月から、県内の回転寿司チェーン店、スーパーや、JF沖縄漁連の仲卸業者などへの販売を開始。県漁連は「これだけ脂が乗った魚は沖縄では珍しく、県内普及へ連携していきたい」(亀谷幸夫専務)と期待を寄せる一方、同プロジェクトでは県外、海外への販路拡大を目指している。

成長が早く、適度に脂が乗り、寿司、塩焼き、煮付け、照り焼きなど幅広い料理に利用できることから、沖縄では約20年前、天然種苗を利用したスギの養殖生産がスタートした。

近年のイリドウイルス感染拡大で業者が撤退する中、稚魚へのワクチン接種を可能にする法改正が行われたことから、スギの養殖、販売への機運が高まっていた。

現在は海南島産の種苗を利用しているが、将来は県内での種苗生産と完全養殖を計画。近く県の栽培漁業センターから稚魚3万尾を導入し、初年度10万尾(5,000トン)、将来的には40万尾(2,000トン)を養殖生産。「沖縄生まれ沖縄育ちの琉球すぎ」として、全国、海外への販路拡大を目指したい考えだ。

2021/6/16 水産経済新聞

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