豊かな漁場と生産者の巧みな技術

ベイシアが近大ブリヒラ販売

2021年06月17日

6~10月 5万尾、3億円計画

ブリヒラを手に橋本浩英ベイシア社長(左)、有路昌彦近畿大学世界経済研究所所長
ブリヒラを手に橋本浩英ベイシア社長(左)、有路昌彦近畿大学世界経済研究所所長

全国に量販店138店舗を展開するベイシア(前橋市)は6月16日から、近畿大学が開発したブリの雌とヒラマサの雄を交配したハイブリッド魚種「ブリヒラ」を全店舗で販売し始めた。今年はベイシアで5万尾、売上高3億円を計画する。販売期間は6~10月の予定。

東京都内で15日に発表会があり、有路昌彦近畿大学世界経済研究所所長は「ブリ類ハイブリッド魚種の産学連携での本格販売は世界初の事例。完全養殖魚のマーケットインの実現で養殖魚の価値を高めたい」と話した。

ベイシアの橋本浩英社長は「ブリヒラは夏でも旬のブリのような味や食感が楽しめ、試験販売を通じて客の評価が非常に高く、現場でも扱いやすいと好評。コロナ禍で魚の需要が伸びており、ベイシアでしか買えないブリヒラを夏の刺身商材として提案する」と意気込む。

ベイシアでのブリヒラ販売計画は22年が7万尾・売上高4億2,000万円、23年が10万尾・6億円。

ブリとヒラマサのハイブリッド魚種「ブリヒラ」
ブリとヒラマサのハイブリッド魚種「ブリヒラ」。成育に1年半、1尾約3・5~4キロで出荷する

ブリヒラは1970年に近大が開発。関連会社のアーマリン近大(和歌山県西牟婁郡)が種苗を販売、クロシオ水産(高知県大月町)が養殖生産し、有路社長が社長を務める食縁(和歌山県新宮市)が加工して出荷、ベイシアが販売する。出荷サイズは1尾約3.5~4キロ。今年の生産量は約8万尾を計画する。

ベイシアと食縁は2017年に「持続可能な養殖水産物普及の協定」を締結し、段階的に試験販売を進めてきた。「19年度の販売は前年度比150%となり手応えを感じ、本格販売を決めた」と橋本社長。

ブリヒラの生産は早期種苗が4~5月、通常種苗が6~10月の年2回池入れする。飼料は低魚粉のEP飼料を給餌。ふ化から出荷までの期間は約1年半。

ベイシアは「近大生まれのブリヒラ」の商品名で、売価はサク(100グラム)494円、刺身7切れ429円、生寿司5カン429円(税込み)で販売する。売価は「ブリよりやや高いが、夏場のヒラマサより安い設定」(ベイシア)。

2021/6/17 みなと新聞

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