豊かな漁場と生産者の巧みな技術

「戸石ゆうこうシマアジ」量販販売へ

2021年07月9日

昌陽水産 地元スーパーと提携
「戸石ゆうこうシマアジ」を持つ長野社長

「戸石ゆうこうシマアジ」を持つ長野社長

養殖業の昌陽水産(長崎市、長野陽司社長)は、西九州を中心に店舗展開するスーパー、エレナ(長崎県佐世保市)と連携し、ブランド養殖魚「戸石ゆうこうシマアジ」の量販店販売に乗り出した。長野社長は「地元での知名度アップを図り、当ブランドの付加価値向上につなげる」と力を込める。

同ブランドは長崎市水産センターが2015年から2年かけて開発したフルーツ魚。出荷の10日前から、地元特産の希少なかんきつ「ゆうこう」を10%調合した特製飼料を与えることで、魚体に抗酸化作用が働き、通常飼育の個体に比べ切り身の血合いの褐色変化が1日以上遅く、臭みを抑えた身質に仕上がるという。

初の店舗販売は7月2~4日、エレナの全店舗(約40店舗)で実施。基本は刺身での販売だが、生産地の同市・戸石地区近くの店舗では鮮魚売り場に特設コーナーを設け、ラウンドや寿司、丼物などで提供された。飼料の関係で一度の出荷量に限りがあるため、エレナは今後も特売期間を設けて販売していく方針。

同社がシマアジ養殖に着手したのは18年6月から。同市・橘湾で40年近くトラフグ養殖ひと筋の経営だったが、販路の多様化を図ろうと他魚種の導入を決意した。特製飼料の製造は長崎市たちばな漁協(同市)が担い、同社が半年ほどかけて築いた独自ルートでゆうこうを仕入れる。

初出荷は昨年11月で、通信販売サイト「食べチョク」と長崎魚市場(同市)を通じ通年で販売。徐々に知名度を高めていく中で、今年6月に地元産品の販売に力を入れるエレナから声がかかり、直接出荷する形で契約を結んだ。

同社は今年、在池2万5,000尾のうち約2万尾をエレナに納入する予定。ネットと魚市場への販売も継続して行う。長野社長は「量販店との連携で固定価格での販売が可能になった。安定供給に努め、当ブランドの価値をより高めていく」と話す。

(2021年7月9日 みなと新聞)

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