「かぼすブリ」旬入り宣言
2021年10月27日
味・香り・見た目よしの三拍子
大分県産ブランド養殖魚
大分県産ブランド養殖魚「かぼすブリ」の本格的な出荷が始まり、10月22日に大分市の公設地方卸売市場で旬入りが宣言された。特徴的な味と色変わりの遅さが好評で、産地から遠い関東圏で取扱量を増やしている。今年度の出荷量は前年度の859トンと同程度を目指す。
餌に県特産品のカボスを混ぜて育てたかぼすブリは、脂のしつこさや魚臭さを抑制。また、カボスに含まれる抗酸化作用の働きで、一般の養殖ブリに比べ変色の速度が1.4倍も遅いことが証明されている。日持ちのよさが「扱いやすい」と特に量販店で評価が高く、近年は産地から遠い関東圏で、生産量の5割前後が取引されている。
22日の式典には、流通関係者や生産者らが出席。JFおおいたの中根隆文組合長が「海水温が低下するこれからの時期に脂が乗り、おいしさが一層増す。『味よし、香りよし、見た目よし』の三拍子揃った」と旬入りを宣言した。
かぼすブリは刺身で食べるほか、熱を加えるとカボスや爽やかな香りを感じやすい。これからの時期は、鍋物の具材としても重宝する。
農林水産省の生産統計によると、大分県の2020年養殖ブリ生産量は1万7,900トンで、鹿児島県に次ぐ全国2位。うち、かぼすブリの生産量は生産初年の10年度に90トンから始まり、19年度は705トン、20年度は859トンで、割合こそ多くはないが増加傾向にあり、全国的にも認知度が高まっている。
2021年10月27日 水産経済新聞