豊かな漁場と生産者の巧みな技術

くら寿司3月11日から限定販売 スマート技術活用「AI桜鯛」

2022年03月7日

委託養マダイ初出荷

11日から販売する「AI桜鯛」
11日から販売する「AI桜鯛」

回転寿司大手のくら寿司(大阪府堺市、田中邦彦社長)は3月4日、愛媛県宇和島市で委託養殖したマダイの「AI桜鯛」を11日に発売すると発表した。生産者に種苗や餌を提供。養殖技術スタートアップのウミトロン(東京都品川区)の人工知能(AI)による自動給餌システムも与え、育ったマダイを買い戻した。15日までに全国の店舗で原魚ベースで20トンを取り扱う。

同社子会社のKURAおさかなファーム(同府貝塚市)が手掛け、昨年4月に委託養殖を開始。実証実験として位置付けるマダイを初出荷した。1カン税込み110円。AIの給餌により、餌の使用量が1~2割減ったといい、実証は「80~90%の出来」(くら寿司の田中信副社長)。このほど生産者3社と本格的な委託契約を結び、6月から本格的な養殖に乗り出す方針だ。安定供給できるようになるまではフェアで提供する予定だという。

くら寿司はAIやモノのインターネット(IoT)によるスマート技術を活用した委託養殖を導入することで、生産現場の人材不足や労働環境の改善を目指す。同社によると、1日3回、従業員が給餌を行っていたが、スマート化により3日に1回、餌を補充するだけでよくなった。「さらに多くの委託契約の締結に向け交渉を継続する」(田中副社長)。他地域や他魚種への展開も検討するという。

愛媛県フェア開催 くえクイーンなど
大とろと愛媛県フェアの(手前左から)「みかん真はた」「くえクイーン」のにぎりとシラスの軍艦
大とろと愛媛県フェアの(手前左から)「みかん真はた」「くえクイーン」のにぎりとシラスの軍艦

同社は11日からAI桜鯛の他にも愛媛産の水産物をネタにした「大とろと愛媛県フェア」を全国の店舗で開催する。愛媛県と協力した。タマカイとクエを交雑させた「くえクイーン」(1カン220円)や、餌に県産のかんきつオイルを混ぜた松浦水産(宇和島市)の「みかん真はた」(2カン220円)のにぎりを提供。愛媛・佐田岬産の釜揚げと生シラスの軍艦(各110円)も販売する。県産品以外に大トロのにぎりも売り出す。

この日、松山市内で記者会見した中村時広知事は「コロナ禍で明るい兆しが見えない中だが、産地としても非常にプラスになると確信している。養殖魚にも品質の良いものが登場していることをこの機会に知ってもらいたい」。県から「『水産王国えひめ』応援団長」を委嘱されている「サカナくん」は「AI技術が本当にすばらしいと感銘を受けた」と話した。

2022年3月7日 みなと新聞

ページの先頭に戻る