豊かな漁場と生産者の巧みな技術

スシロー 養ブリ人工種苗も開発へ

2022年05月12日

F&LC水留社長 新会社、スシローに5割供給
大創業祭の目玉となる魚
大創業祭の目玉となる魚

回転寿司スシローを傘下に持つFOOD & LIFE COMPANIES(F&LC、大阪府吹田市、水留浩一社長)は5月9日、東京都内で報道向けに事業戦略説明会を開いた。水留社長は4月に拓洋(熊本市)と設立した新会社マリンバースで「種苗を効率的にスケールをもって生産する」と説明。「いずれは水産業界全体に提供できる会社に育てたい」と話した。

マリンバースはF&LCと拓洋が各50%を出資して設立。F&LCの養殖魚の生産.・技術開発を担う会社として位置付ける。既にF&LCと養殖魚のゲノム編集で共同研究しているスタートアップ企業リージョナルフィッシュ(京都市)、プラチナバイオ(広島県東広島市)とも連動する。

水留社長は会終了後の囲み取材で「まずは拓洋が生産するマダイ種苗をマリンバースが他の生産者に販売することを入り口として考えている。その次のステップとして、ハマチ(ブリ)の人工種苗を開発する」と説明。スシローで使用するネタのうち、マリンバースの種苗の割合を「マダイは半分を超えるくらいになる。ハマチで半分程度になる世界を目指したい」と話した。

海外出店も加速する。説明会で水留社長は昨年10月~今年3月に開かれたドバイ万博のブースが好評だったと報告。「ハラルの制約がある中でうまい寿司を展開できるかポイントだったが、遜色ないレベルができた。熱が冷めないうちにハラル文化圏への出店を進めたい」と話した。今夏に寿司居酒屋「杉玉」の海外1号店を香港・湾仔に出店することも発表した。

スシローは12日から1年に1度の「大創業祭」を始める。第1弾は「輝け、日本のうまい魚。」として日本各地の養殖魚を目玉に据える。小浜水産(鹿児島県垂水市)の1尾6キロを超える「アカバナかんぱち」の他、オカムラ食品工業(青森市)のサーモン、拓洋と宇佐水産(愛媛県愛南町)のマダイを提供。各生産者も登壇し、小浜水産グループの小浜洋志副社長は「海外にも出しているカンパチを消費者の皆さんにジャッジしてほしい」、拓洋の山本宇宙社長は「全国の皆さんに食べてもらう機会なので楽しみにしている」と話した。

水留社長は値上げについて「食材原価だけでなく、従業員の人件費や水道光熱費などが上がる中、これからも下がらないと判断。品質を保ちながらおいしい寿司を食べてもらうことを重要視した」と説明した。

2022年5月12日 みなと新聞

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