豊かな漁場と生産者の巧みな技術

オメガ3、睡眠に効果、EPAで幸福感も

2022年10月28日

聴講者からは熱心な質問も上がった
聴講者からは熱心な質問も上がった

DHA・EPA協議会と日本水産油脂協会は10月26日、東京・千代田区の主婦会館プラザエフでオンラインを併用して公開講演会を開き、「オメガ3脂肪酸は睡眠をよくする方向に効く可能性がある」との研究結果や、「EPAを摂取すると幸福感が得られる」との相関関係が発表された。

滋賀医科大学精神医学講座特任教授で睡眠センター長の角谷寛氏は「DHAと睡眠の関わり」について講演。睡眠の役割やメカニズム、「睡眠負債」による経済損失にも言及した。DHAやEPAを摂取している人は寝つきがよくなり、長く寝ていられるようになる傾向があるとの調査結果を示し、「(DHAやEPAといった)オメガ3脂肪酸は睡眠をよくする方向に効く可能性がある」と紹介した。

同時に、DHAによる睡眠の改善が困難な人が1割程度はいるとの結果にも触れた。

「EPAが人を幸せにする?」をテーマに講演した滋賀県立大学大学院人間看護学研究科の坪井宏仁教授はEPAと幸福感との関係を横断的に解析した結果、相関関係があったと発表した。

女性医療福祉従事者133人を対象にデータを取り、主観的な幸福感ややりがいを調査し、EPAとの有意な相関関係が認められたという。ただ「(2回以上の調査を行う)縦断研究ではないため、因果関係を明示できない弱点がある」とも付け加えた。

第23回公開講演会は「ヒトの生体機能の調節におけるオメガ3の関わり」をテーマに開催された。国立国際医療研究センターの脂質生命科学研究部の進藤英雄テニュアトラック部長による「リン脂質中オメガ3の分子レベルでの生態機能解析-なぜ体に重要な分子なのか?」の講演も行われた。

2022年10月28日 水産経済新聞

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