豊かな漁場と生産者の巧みな技術

トラフグ 統一免許、各地で施行始まる

2023年02月20日

全国ふぐ連盟懇談会 消費「戻りつつある」

全国ふぐ連盟懇談会
「天然フグを堪能ほしい」とあいさつする、全国ふぐ連盟副会長で海上となったさんともの真貴田雄一店主(奥)。右手前は服部理事長

全国ふぐ連盟は2月13日、東京・台東区の上野さんともで新春懇談会を開き、今期の消費、生産の状況、各地で施行が始まっている統一フグ免許の現状や近年水揚量が増えている福島県のトラフグについて情報を共有。5月に初開催を控えるコンテストについても概要を説明した。

各地でフグ料理店を営む出席者は、新型コロナウイルス禍からの回復の兆しがみえ始め、「台湾、中国など海外からの顧客が少しずつ戻り始めている」と状況を報告。

全国統一のフグ処理師の基準が厚生労働省から示され、各県の条例改正などが進む中、東京、千葉、広島、福島各都県では試験の内容が変更になっているとした。

福島・相馬市でフグ料理店を営み、「福とらブランド」の確立に取り組む、やましたの鈴木光二社長は、市の観光協会にも問い合わせが多数寄せられているが「昼からフグの提供をできるのが当店のみで漁獲量だけでなく、提供できる店を増やしていくことが重要」との考え方を示した。

全国ふぐ連盟の事務局を務める小野晶史アクアカルチャー㈱代表取締役が、今期の産地の状況について養殖トラフグは赤潮の影響もあり生産量は少なく、天然は静岡、愛知両県の水揚げが減少しているが福島や千葉各県の水揚げが補っていると説明した。

柴田書店からは、フグの調理師免許が変わるのに合わせ、新しい教本の制作を企画中。来年2月には出版予定と案内した。

服部理事長を囲みコース料理で懇親会

続く懇親会にはNPO法人ふぐ食応援大使の会顧問でもある服部幸應服部学園理事長が参加。「フグを食べてアミノ酸を感じると、日本人でよかったとしみじみ思う」とフグのおいしさを表現。コース料理を堪能しながら懇親を深めた。

ふぐ食応援大使の会 消費拡大目指し
フグ料理コン優勝者に10万円

NPO法人ふぐ食応援大使の会は、料理レシピの開発による消費拡大を目的に第1回全国ふぐ料理コンテストを開催する。優勝者には賞金10万円、準優勝賞には5万円、入賞者以上には記念品を贈る。参加資格は日本在住であること。テーマは「新しいフグ料理を求めて」。8月21日に東京・南池袋の後藤学園で決勝審査会を開く。

申し込み受付期間は4月1日から5月30日まで。1次審査は作文とテーマに沿ったメニュー3皿を創作する。メニュー名とその説明、価格、調理時間、レシピ、料理写真またはデッサンによる書類審査。通過した20人が、試作料理の2次審査に臨む。さらに12人に絞り最終選考を行う。

競技部門は①西洋料理(フレンチ、イタリアンほか)・エスニック料理②中国料理③日本料理―の3部門。オーソドックスな和食に限らず、各国料理の材料として可能性が広がることに期待を寄せる。

審査委員長は服部幸應服部学園理事長、委員は競技種目ごとに応援リーダーおよび関係団体から派遣する。

(一社)全国ふぐ連盟との共催。水産庁の後援を受けるため申請手続き中。

2023年2月20日 水産経済新聞

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