豊かな漁場と生産者の巧みな技術

陸上養殖ヒラメ、自販機で

2023年06月28日

鹿児島垂水、森水産が規格外品を活用

自販機でオリジナル加工品を通年販売可能
自販機でオリジナル加工品を通年販売可能

陸上養殖でヒラメなどを生産する森水産(鹿児島県垂水市、森正彦社長)はウミブドウやヒラメ刺身を通年販売する自動販売機を垂水市に設置した。自販機は同市深港地区の国道220号沿いに設置。同社は自販機での販売にあたり新たに加工処理施設を導入し、これまで傷やサイズが要件に満たず市場流通が困難だった規格外品や廃棄していた未利用部位を製品化し、オリジナル商品として高付加価値化を実現した。

自販機と加工施設は日本政策金融公庫鹿児島支店と南日本銀行が協調し、「事業再構築補助金」を活用し設備資金を融資した。森水産は「これまでの廃棄量は原料の50%を占めたが、約10%まで低減できた」と自販機導入の効果を説明する。今後は鹿児島市中心部で自販機設置を目標に、ウミブドウやヒラメの生産量を1.5倍程度に増産する計画だ。

森水産は漢方薬としても利用される杜仲成分を配合した餌で育てた「杜仲ヒラメ」を陸上養殖する。またヒラメのいけすを活用して鹿児島県で初となるウミブドウの陸上養殖に成功した。これまで主流だったBtoB(企業間取引)に加え、自販機導入でBtoC(企業対消費者販売)への展開で販売向上を期待できるという。

今回導入した自販機は電子マネーやQRコード決済が可能。クラウドサーバーと連動し、リアルタイムで在庫や温度、販売履歴、消費期限、不具合、広告などの遠隔管理が可能だ。

加工

2023年6月28日 みなと新聞

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