豊かな漁場と生産者の巧みな技術

“香川産”、関西流通強化へ

2023年09月28日

阪神梅田本店の売り場
阪神梅田本店の売り場

香川県、香川県漁連(高松市)主催の「京阪神地域 水産物流通懇談会」が9月25日、大阪市中央卸売市場本場であった。4年ぶりの開催。池田豊人知事、嶋野勝路県漁連会長と、うおいちの橋爪康至社長、大水の山橋英一郎社長ら流通関係者が出席。今年の出荷見通しなどの情報や、浜値についての意見を交換した。懇談会後には阪神梅田本店(大阪市)の水産売り場「阪神髭定」でオリーブハマチや県水産物をPRした。

懇談会では、主催者の池田知事があいさつ。出席者を代表して橋爪社長が「西日本最大の生鮮流通拠点として、一大消費地の強みを最大限に生かし、取引先と連携。魅力ある香川県産水産物の流通に一層貢献していく」、山橋社長が「香川県は海を隔てた隣の県で、距離的にも短い。香川県の水産業界との関係を一層強くしていく」と述べた。

意見・情報交換では、出席者から餌飼料の高騰に対する生産者への行政支援や、高値の浜値を抑えるための取り組みについて質問が出た。ロインなどの産地加工品の開発や産地視察、漁場見学の再開などの要望が上がった。スーパーの担当者は消費者の傾向として、「国産志向や安全・安心の意識が一層高くなっている」、仲卸の経営者からは「飲食店が一年を通じてブリを扱うようになる一方、ハマチが売りにくくなっている」と紹介した。

今年の香川県の主要水産物の生産状況として、ハマチ2年魚の養殖尾数が115万尾(うちオリーブハマチ約20万尾)、カンパチ2年魚が44万3,000尾、マダイが2年魚4万4,000尾、3年魚8万8,000尾。煮干し共販高(8月31日現在)は1,592トン、19億6,532万円、2022年度の乾ノリ共販高が2億1,664枚、32億8,185万円と説明した。

県海水魚類養殖漁協の嶋野文太組合長は「23年度に、新たなブランド魚として『オリーブサーモン』を生産する」と報告した。最後に嶋野会長が「オリーブハマチは知名度が上がり、全国のブランドハマチの中でも先頭を走っている。今後も販売促進に努める」と述べ、閉会した。

オリーブハマチ1日で30尾完売
梅田の阪神髭定

阪神梅田本店の阪神髭定は25日、今シーズン初めてオリーブハマチを販売した売り場には切り身やサク、刺身、にぎり寿司を品ぞろえし、刺身の試食もあった。当日だけで30尾のオリーブハマチ(平均4.5キロ)を売り切った。

池田知事、嶋野会長らが売り場に立ちPRした。池田知事は「オリーブハマチは一度食べれば、おいしさ、鮮度の点で他のブリとの違いが分かる。オリーブハマチの良さを多くの買い物客に伝えることができた」と話した。

阪神髭定など展開するマルカワグループの川口達也社長は「オリーブハマチの入荷を毎年心待ちするお客さんが多くいる。臭みがなく、脂がすっきりしている。甘みが口に広がり、そのまま食べてもおいしい」と話した。同店では今後もスポットでオリーブハマチを販売する。

2023年9月28日 みなと新聞

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