大分の「かぼすブリ」秋風とともに「旬入り」宣言
2023年10月4日
今期は約2倍の生産
「おおいた県産魚の日」運営委員会(会長・山上誠二大分魚市㈱社長)は10月2日、「かぼすブリ」旬入り宣言式を同市豊海の市場で開いた。酷暑が過ぎ、秋を感じさせる爽やかな風が吹く中、JFおおいたの中根隆文組合長が「味よし、香よし、見た目よしの3拍子揃ったかぼすブリ」の旬入りを宣言。「生産者が昨年の2倍近い量を用意している。ぜひ食べて味わってもらいたい」と呼び掛けた。
昨年春のモジャコ漁が順調だったため、今期のかぼすブリの販売目標は680トンで昨年実績の333トンの約2倍。2021年の514トンも上回る計画だ。
山上会長は「旬入り宣言を始めて今年で8年目。県民に親しまれる大分県のブランド魚。旬入りで秋を感じて、年末商戦に弾みをつけてもらいたい」とあいさつ。大分県の佐藤章農林水産部長は「来年は豊かな海づくり大会が開催され、来月にはプレイベントの海博も開催される。本番に向け、機運を盛り上げたい」と意気込んだ。
出荷式に続き刺身が振る舞われ、関係者はおいしさを確認した。
かぼすブリは出荷前の仕上げとしてカボスを混ぜた飼料を与えることで、脂がしつこくなくほのかにカボスが香る。切身の色変わりが遅く、血合いの変色の早さでは1.4倍遅い特徴が流通の現場でも評価されており、九州圏だけでなく全国的に人気が高い。
2023年10月4日 水産経済新聞